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手工芸協会100周年 [weaving]

気が付けば月日が流れて行くぅー・・・記事を書かないままぁー・・・

さて。
2012年の今年はスウェーデン手工芸協会創立100周年の記念の年であります。スウェーデン全国各地で様々な展示が行われていますが、ストックホルムでは今3つの展示を見ることができます。

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まずはWaldemarsuddeでの展示。
ここでは手工芸協会の創立者Lilli Zickerman(リリィ・シッケルマン)に関する展示を見ることができます。

このLilliさん、20世紀の始めにこのままでは伝統的なテキスタイルが消えてしまう、と危機感を募らせ当時まだ生まれたばかりの写真技術と自らの足を駆使してスウェーデン中を回り、伝統的なテキスタイルをくまなく写真に収めたのでした。収集期間は実に22年にも及んだということですが、彼女のおかげで伝統的なテキスタイルは影を潜めるどころか、私のような外国人をも虜にするスウェーデンの大きな遺産となりました。

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館内は撮影禁止なので、展示をお見せすることができませんが、古いテキスタイルがたくさん飾られていて見応えあります。Lilliの使った写真機なんかも展示されてました。

この展示されているWaldemarsudde(ヴァルデマシュウッデ)は芸術家でもあったエウフェン王子(発音を日本語表記するのはちょっと難しいお名前・・・)の邸宅をそのまま美術館として使っているところ。内装も当時(1903〜1905年)のまま残っています。で、この王子様はお花がとってもお好きだったそうで、邸宅内部にはため息出る程美しい花々が、本当に美しく飾られているのです。これは是非見て頂きたいっ お花に溢れるお部屋を見るだけでもここに来る価値ありですっ

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二つめの展示は、その名も「VÄV(織り)」!
Nordiska museet(北方民族博物館)での展示です。


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割と狭い場所にギュウギュウに展示されてる印象で、せっかくの素敵な織り物の魅力が半減してるようなそんな印象ですが・・・
Sätergläntan、HVskola、Konstfackの学生の作品を始め、本当にたくさんの織りが飾られています。


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古いものはガラスの向こう・・・うっとりします。


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ここNordiska museetには、手工芸協会創立者Lilli Zickermanが自らの手で足でひとつひとつ集めたテキスタイルの写真コレクションが収められていて、一部が展示されていました。
その当時の写真はもちろん白黒。Lilliは写真一枚一枚に手描きで色付けをして保存したのですっ その数は24000枚とか・・・・!!偉業とはまさにこのこと!彼女のこの並々ならぬ努力と情熱のおかげで、今でも昔のテキスタイルを見ることができ、復元して当時を偲ぶこともできるわけです。


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会場には織り機もたくさん置いてあり、期間中織りのショートコースを受けることもできます。見るだけでなく、実際に触れて体験できるというのはいいですよねぇ。



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さて、最後は手工芸全般に関する展示。これはLiljevalchs(リレヴァルクス)で。


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私が行った日はオープニング、加えてスウェーデンのナショナルディだったので(??)スウェーデン人が大好きなホットドッグが無料で振る舞われてました。ちょうど昼時でお腹が空いていたのでありがたく頂戴しました☆



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この展示での目玉は、プロアマ年齢問わず誰でもが参加できる思い思いの「葉っぱ」。スウェーデン全土から2000枚集められました。


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こういうかわいい「葉っぱ」もあるんだけど、

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何せ2000枚が一同に飾られてるので、どこを見ていいのやら・・・かなりの森っぷりです。


その他の展示は、スウェーデンの手工芸全般に及び、古いものというより今作られているモノが大半。


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ダーラナ地方の小さな村、ダーラフローダの刺繍☆


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サーメ民族のトナカイの皮の工芸品も☆


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かごもいっぱい!


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ウールのコーナーに


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リネンのコーナー。
ほんとに全てのスウェーデンの手工芸を網羅しています。


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ワークショップのコーナーでは色んな手工芸に挑戦できます。


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こうやって改めて見てやっぱり思うのは、スウェーデンの手工芸って素朴でイビツ、時々野暮ったい。笑
そしてそれがもうぎゅーーーーって抱きしめたくなる程のかわいらしさ!私はその魅力にがっつり引きこまております。
手工芸って芸術でもあるけど日常品でもある、というのが本当によくわかる。私の頭から離れない言葉に「芸術品とは日常品だ」(ベルリンフィル指揮者のサイモン・ラトルの言葉)というのがあるのですが、スウェーデンの手工芸はまさにこれ。特別なものではなく、普通の人の普通の生活にあるもの。

やっぱり私は手工芸が好き。と改めて実感した日でありました。



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手工芸協会100周年!手仕事盛りだくさんの展示、この時期にスウェーデンに来られる方は是非覗いてみてください☆





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コメント 5

mami

nanahanaさん、ひさしぶりにコメントさせていただきます。
素晴らしい、展示達ですね。
私も見に行きたかった〜〜〜。日本で興奮しています(笑)
こんなに沢山手工芸の作品を目にすれば、どこからみていいのやら。
スウェーデンは本当に素敵な国だな〜と改めて思います。
機会を見つけてまた学びたい。
沢山の写真をありがとうございます♪♪
by mami (2012-06-20 11:54) 

gabo

100周年 凄く興味があり 行きたい計画を立てておりました
事情が出来て断念 nanahanaさんの所でイベントなど見れて幸せ
本当に盛りだくさんですね 行きたかったな〜〜^^
日本にない手工芸の世界 憧れます;

by gabo (2012-06-21 23:22) 

nanahana

mamiさん。
こんにちは。お久しぶりです。
盛りだくさんの展示でちょっとtoo much感は否めませんが。笑
でも、手工芸をこれだけ沢山一気に見られることはなかなか無いですよね。

gaboさん。
残念ですぅ・・・でも、私のつたない写真達でもお役に立てて嬉しいです。日本の手工芸も素敵だし好きですが、ちょっと美し過ぎるというか敷居が高い(?)ですよね。それに比べてスウェーデンのそれは本当に身近にあって普通の生活に溶け込んでいるのが魅力です。大好きです☆
by nanahana (2012-06-22 04:12) 

hiroko

うわー、この手工芸3連チャン、最高ですっ
アップありがとうございますっ
ストックホルムになかなか足が延ばせないでいる田舎者には
とてもありがたい写真がイッパイでした!
個人的には意外に(意外に?失礼)Liljevalchsがすごく良さそうで惹かれました〜
あのノールビンドニングの葉っぱちゃん、かわゆす。
葉っぱちゃんの間を歩く人たちがトルコか何かの市場を練り歩く観光客みたいに見えます。笑
ダーラフローダの刺繍の上のガラス張りの床をぜひ歩いてみたいです。
by hiroko (2012-06-29 19:29) 

nanahana

ヒロコサン。
Liljevalchsは、結構ごちゃごちゃと展示してあるので、目疲れします。笑
この葉っぱたちは、今tradeaでオークションに出てますよ。オークションで落として木枠を取ってしまえば手袋として使えるぅ〜、ってのはどうでしょう。
by nanahana (2012-07-02 23:51) 

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